妊婦健診
妊婦健康診査(妊婦健診)は、妊婦さんやお腹の赤ちゃんの健康状態を把握することで、妊娠期間中の不安をできるだけ少なくした形で出産を迎えられるようにするために行われるもので、母子保健法第13条において、市区町村の自治体が必要に応じて、妊産婦に健康診査を行うと規定されています。
なお健診と言いましても、単に検査項目に従って、医師が診察を行うだけでなく、妊娠・出産や育児に関して、不安なことや悩んでいることにつきましても相談することができます。健診時にそのような時間は、しっかり設けていますので、一切遠慮することなく、気になっていることは、この機会を逃すことなく、医師に打ち明けるようにしてください。
ちなみに妊婦健診時に持参するものは、次の通りです。
- 妊婦健康診査受診票
- 母子手帳
- 保険証
- 当クリニックの診察券
受診時の注意点
健診を受ける際は、脱ぎやすい服装や靴で来院されるようにしてください。健診の内容に関しましては、妊娠の週数などによって変わってきますが、毎回行う検査項目は以下のようなものです。
- 問診、診察(妊娠週数によって内容は変わります。必要な場合は内診も行います)
- 血圧測定(妊娠高血圧症候群の有無を調べるために行います)
- 尿検査(尿たんぱくや尿糖の数値を調べます。尿たんぱくで妊娠高血圧症候群や腎機能低下の有無、尿糖で妊娠糖尿病の有無を確認します)
- 体重測定
- 浮腫検査
- 超音波検査(経腟あるいは経腹超音波検査にて、妊婦さんの身体の異常の有無や胎児の様子などを確認していきます)
上記のほかにも医学的検査を必要に応じて行います。内容に関しては、妊娠週数によって異なりますが、以下のような検査となります。
- 妊娠初期~
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- 血液検査
血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)、血算、血糖、B型・C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)抗体検査 - 子宮頸がん検診(細胞診)
- 経腟超音波検査
- 血液検査
- 妊娠20週~
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- 性器クラミジア
- 経腟超音波検査
- 妊娠24~32週
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- 血液検査
- 50gGCT
- 経腟超音波検査
当院では、川崎市、横浜市の妊婦健康診査受診票が使用できます。
東京都の方の場合、償還払いによる費用の助成が受けられます。
4Dエコー
また、当院では4Dエコーも可能です。(当院で健診を受けている患者さんのみ)エコーとは超音波検査のことですが、普段行われる超音波検査というのは2Dいわゆる断面を見て体内の異常の有無などを確認するわけですが、この4Dエコーはお腹の中の赤ちゃん(胎児)の様子を立体的(3D)な映像で、しかもリアルタイムに見るといった際に用いられるものです。
なお4Dと3Dエコーの違いですが、これは羊水の中の胎児の様子(表情、しぐさなど)をモニター越しにはなりますが、鮮明な立体画像を同時間帯で確認できるかという点にあります。なお、4Dエコーは保険が適用されませんので自費診療となります。
4Dエコーを実施する際は、エコーの通りがよくなるように腹部にジェル状のものを塗ります。そこに超音波(人間の耳では聞くことができない高い周波数)を発信するプローブ(探触子)を当て、当てた部位から跳ね返ってくるエコー(反射波)を超音波装置が分析することで映像として見られるようになります。なお、検査中に痛みなどが出ることはなく、ジェルが冷たく感じる程度です。また超音波は身体に無害ですので、X線撮影のように放射線被ばくを心配する必要もありません。
ちなみに4Dエコーを行う場合、胎児の表情やしぐさがわかるようになる妊娠25~30週あたりが良いと言われています。希望をされる場合は、お気軽にお問い合わせください。
※4Dエコーは現在中止しています。